抗精子抗体とは、女性が頸管粘液中に産生する精子に対する抗体あるいは男性が自己精子に対して産生した抗体です。この抗精子抗体による免疫学的要因が、不妊に関係している場合があります。この検査は、他の不妊原因が除外された場合に分析されることが多く、原因不明不妊症カップルのうち40%近くで抗精子抗体が発見されています。免疫学的要因は次のような場合に不妊の原因になる可能性があります。
精液分析結果は正常であるが、性交後検査(ヒュ―ナーテスト)で精子がみつからないあるいは運動性がない場合
性交後検査で精子が前進運動しない場合。
精管切除後に精管再建術を実施したが、不妊が持続している場合。
精液分析で精子凝集が見られる場合。
原因不明の不妊が長期間持続している場合。